クレマチスの誘引

クレマチスの誘引

つる性植物のクレマチスは誘引作業が必要です。誘引のコツなどを紹介しています。

クレマチスには誘引が必要

クレマチスはつる性の植物のため、花をきれいに魅せるためにはある程度誘引作業が必要になってきます。
品種の系統により誘引の時期や方法が若干異なります。
全くの誘引なしでも花は咲きますが、思い通りの景色を作るために誘引してみましょう。
剪定のグループ別に誘引の時期やコツを説明していきます。

 

剪定グループ1,2(無、弱剪定)の品種たち(旧枝咲きと一部の新旧枝咲き)

前年かそれ以前のツルから花が咲くので、このグループは春前の剪定があまり必要ありません。
よって、このグループでは旧枝が残っていると思います。誘引は春前のタイミング(温暖地域では2-3月)で行いましょう。基本的に斜めに斜めに誘引していきます。目安は45度くらいです。
高いところで咲かせたいときは角度を急に、低いところで咲かせたいときは角度を緩やかにしましょう。

 


剪定グループ2(旧枝咲き)クレマチスのの誘引の例
上の方で花を咲かせたいので、角度は急にしています。折り返しはあまり急にしないようにしましょう。折れます。(折れても大丈夫ですから安心してください。)

 

 


上の右の写真の3か月後の景色です。旧枝からどれくらいツルを伸ばして咲くかは品種により異なります。1年育てたら旧枝からどれくらいで花がつくかなんとなくわかるので、イメージしながら誘引しましょう。壁に絵を描くように(笑) この世であなただけの景色を作れますよ。

 

剪定グループ3(強剪定 新枝咲きと一部の新旧枝咲き)


プリンセスダイアナとアフロディーテ エレガフミナ、サニーサイドの誘引
全てグループ3(強剪定)品種のため冬は壁に何もない状態です。
壁に木をつけ、そこから糸や鉄線などを張っています。

 

剪定グループ3のクレマチスは旧枝が30㎝くらい残っているか、地上部がない状態だと思います。
このグループは春になると新しいつるが伸びてくるのでそれを誘引していきます。
誘引しないでも花は咲きますが、ツルがよく伸びてから咲く品種などは頭上より上の方で咲いてしまい見えなくなることもありますので、ある程度の誘引は必要かと思います。
グループ2の時と同じように、品種によりどのくらいの高さで咲くか違います。最初の年にどれくらいで咲くかなんとなく覚えておいてください。初めての場合はとりあえず斜めに誘引してみてください。
斜めに誘引する理由は、植物の頂芽優勢の性質のためです。

 

このグループはあまり難しく考えずに、新芽がでてきたら咲かせたいところに誘引していきましょう。
新しく出たツルはすぐに折れてしまいますので、あまり無理はしない方がいいでしょう。折れても大丈夫です。1週間ほどすればその下の節からまた新しく出てきます。節から2本つるが出たりすることもあります。そうなれば不幸中の幸いです(笑)
折れたらセロテープをツルに対して縦に貼ってください。それをもう1度行い、2重にしましょう。あくまでツルの芯が残っている場合で、ボキっと折れてしまったら修復は難しいです。

 

 

誘引の道具

誘引クリップ小・大


クリップは便利です。ひもでくくってもいいですが、かなり面倒なので私はこの2つを多用しています。
ツルに直接クリップをとめてもいいですが、強風の時にツル自体が折れてしまうので、極力葉がでている葉柄という部分をクリップで止めるのがコツです。
あと、ツルをピンと張った状態で止めないようにしましょう。少し引っかかったり、強風が吹くと折れやすいです。
ツルをだらんとさせ、少し遊びがある状態にして止めてください。
クリップ大の方は、ツルと支柱や木など太めのものと止めるとき、3-4本のツルをまとめるときに使用しています。

・出来るかぎり葉柄(葉が出ている枝)で止める。
・止めるときはツルをピンと張らない

私が愛用している大小の誘引クリップを下に載せておきます。どちらもおすすめです。

 

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クレマチス誘引の具体例

クレマチスをおしゃれに誘引する方法
・行灯(あんどん)仕立て
・オベリスク
・トレリス
・木
・ラティス
・フェンス
・パーゴラ
順番に説明していきます。

 

行灯仕立て(あんどん)

 

数本の支柱に輪がついたフレームなどに植物のつるを誘引し、軽くひもなどで縛りながら、行灯(あんどん)のような形に仕立てたもの
鉢にはこの方法をよく使用します。
左巻か右巻はどちらでもいいと思います。植物によれば遺伝的にどちらがいいか決まっている場合もありますが、クレマチスに関しては葉柄で支えるため、右でも左でも好きに巻いてください。
ただ、2種類のクレマチスを同じ行燈に撒く場合は、同じ方向に巻いた方がいいです。

 

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オベリスク


オベリスクは高さが低いものから高いものまであります。
写真は低めのオベリスクで、フォステリー系カートマニー ジョーを誘引しています。アイアン製の場合夜には支柱が見えにくくなり、夜にも花が開くクレマチスの性質と併せて花が宙に浮いているようにみえます。

 

 

大型の花屋さんでは多数のオベリスクが売ってあります。
プラスチックは値段が安くて軽い、鉄製は値段が高くて思いです。
鉄製の方が圧倒的におしゃれで見栄えがいいですが、軽くてばらばらにできるプラスチック製も捨てがたいです。

 

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トレリス


左(上):早咲き大輪系パストラーレ、 右(下):ビチセラ系ベノサ バイオレシア

 


左:白万重、 右:ビチセラ系 夜明け前

 

4つともトレリスに誘引しています。
トレリスの利点は何もないところにつるを誘引できることです。庭が洋風になります。
前も後ろも花が咲くので立体的に演出できます。
鉄製の場合、高さが高いトレリスでは地面に挿すだけでは倒れるため、コンクリートかモルタルで固定する必要があります。

 

私が好んで使用しているトレリスを紹介します。あまり派手なものが好きではなく、落ち着いたものが欲しいので上の写真に掲載しているものを購入しました。
非常に気に入っており、結局6個購入して使っております。5年目ですが、錆もなく非常にきれいな状態です。少し高価ですが、値段に見合うものかと思います。
おすすめのトレリス

 

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木に誘引


左(上):オリーブに絡んでいるテッセン 右(下):コニファーのブルーアイスに絡んでいるクレマチス ソワレ

 


左(上):ジューンべリーの幹に絡んでいるセム 右(下):ユーカリ グニーの幹に絡んでいるクレマチスたち。

 

木に誘引するのが一番自然で美しい景色になります。人工物がないですからね。
この場合、木の幹までをアルミ線や枯れ枝を使用しています。
木の周囲にクレマチスを植えると、木の勢いに負けてしまいやすく、クレマチスが大きくなりにくいのが欠点です。木とクレマチスの間に根止め板などの敷居をしますが、木の根の勢いはすさまじく、1年くらいしか持ちません。(少しでも隙間があれば木の根が侵食してきます。

 

フェンス


 

左:ピンクのツルバラ安曇野(あずみの)と小輪クレマチスたち  右:壁にフェンスを打ち込み、大輪系クレマチスを誘引

 

一番オーソドックスな誘引方法で、ダイナミックな景色を作ることができます。
木の壁ならビスをうち、フェンスを固定します。写真右の様にコンクリートやブロックなら、ドリルで穴をあけ、コンクリートプラグを挿入してからビスをうちます。
写真右のフェンスはホームセンターで売っている鉄製のワイヤーメッシュに赤茶色のさび止めを2度塗りしています。2年くらいたちますが、錆はあまり目立ちません。

 

 

パーゴラ


自作パーゴラに誘引しているクレマチス

 

 

アルミ線・ピアノ線で誘引


左:壁にピアノ線をはりクレマチスを誘引  右:地面から木に茶色のアルミ線をはり、クレマチスを誘引
どちらの方法でもクレマチスが宙に咲いているようで綺麗に誘引できます。